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真面目な男です。

だから自分で自分が大嫌いなのって分かって貰えますよね。
今日はナンパをしてみようと家を出ました。

もちろん、ナンパなんかやった事もありません。
まず考えたのが、ナンパは何処の駅がいいのか。真面目に考えると結構見つからないものです。

渋谷、原宿、六本木、新宿はハードルが高く感じます。
家の近くでやる事も考えましたが、知り合いと会ったら、絶対に馬鹿にされます。私の青春は女性に無縁の青春でした。

可愛い女の子に出会える場所で、ちょっとマイナーな場所を探しました。
場所は決まりました。ここでは公表出来ません。すいません。

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髪型も決めました。服装も真面目に見えるナンパ師を目標に決めました。

まったくトンチンカンだと思います。でも、今の俺にはこれしか出来ないのです。
初めてのナンパの第一声。

無言。
言葉が出ません。気味悪がって女性は恐怖の顔で消えました。
俺の体から汗がドバーッと流れました。

学校の勉強より数段難しいです。先生の頭でも出来ないと思いました。
そう考えると、先生なんか、ただのつまらない人間です。

ひとつ、人生の勉強をしました。
一時間、二時間、時間だけが過ぎてゆきます。
女性という生き物が誰も俺を相手にしてくれません。

別に気にしません。これが俺の青春ですから。
会えました。足を止めてくれました。俺の目を見てくれるのです。
でも沈黙。でも、今までの沈黙と沈黙の意味が違います。

彼女は俺に興味を持っている事がわかります。
何故か? 俺が馬鹿に見えたのだろう。
馬鹿は馬鹿なりに魅力があるんだよ。

俺は言葉が爆発するように出てきました。
自分の性格、君が凄く素敵に見えた事、何時間この場所でこんな事をやっているか、妹の話、遠足でバスに酔った話、何でもしました。

ただ呆れて聞いている彼女でした。
でも、彼女はその場を離れようとしません。
俺は、もっともっと話したい事がありました。

彼女は言いました。
今日はデートしよう、なんか食べよう、それからは、それから考えよう。
彼女が俺の手を握った。

二人で歩き出した。
俺は彼女の肩に手を回して抱き寄せようとしたんだが。

自分の手が、右手か左手か分からなくなった。
彼女は笑った。
俺は一瞬にして彼女が好きになった。